最近のモダンに思っていること

1/25に、MTGの各フォーマットの禁止改定が行われました。その中でも自分が特にプレイしているモダンはノーチェンジでした。

個人的には、今のモダンがノーチェンジで良いとは思っていなかったので、非常に残念でした。

何が残念かというと、ラガバン・ウルザの物語といった明らかなパワーカードが禁止を免れたことです。正直、1マナクリーチャーと土地の能力ではないと思っているので、これが許されてしまうのか...という気持ちでした。

もっとも正直に言うと、究極的にはお金の問題なんですよね。MTGのカード価格は一昔前と比べて安くなっていない、むしろ高くなっている。ラガバンみたいな一枚一万円のカード4枚そろえてね、といわれると正直考えざるを得ない。なぜならMTGは趣味の一つであって趣味そのものではないから。個人的にはカード一枚に払える最大価格は5千円までです。(それでも世間一般からしたら正直おかしいという感覚だと思います。)

それに、趣味に使うお金の効率的な使い方という考え方からいっても一つのデッキを作るまでに10万円、もしくはそれ以上かかるのはちょっと引かざるを得ない。例えばMTGと同じくらい面白いボードゲームはたくさんありますが、そうしたゲームが何種類も遊べるBoard Game Arenaというサイトは年間パスが一万円するかしないか。あとドミニオンというゲームが遊べるドミニオンオンラインも年間5千円でプレイし放題です。それを友達同士で遊んでいる方が楽しいし、誘いやすい。だってMTGを始めようって誘って最初に10万かかるって言えます?5千円でもよっぽど説得しないと出してはくれないですよ?

それでもモダンは長く遊ぶという前提なら割と安く遊べるということがあったし、何よりMTGというゲームが好きだったので僕はモダンを遊んできたのですが、最近前半の「長く遊ぶ前提なら安い」というところがだんだんと真ではなくなってきたのですよね。。。例えばラガバンより値段が高くて汎用カードだったタルモゴイフというカードがありました。タルモゴイフは昔はたしか1枚1万5千円とかもっとしましたけど、2006年の登場以来10年以上使われてきました。(最近はモダホラ2のクリーチャーに押されて見ることは減りましたが...)たとえ高くても「これ以上強いカードはおそらく作られないから、価値は保証される」と思えば納得できるのですが、最近のWotCはそのラインを平気で踏み越えてくるので、強いカードを買うことに抵抗があるんですよね。例えばモダホラ3でラガバンやウルザの物語よりもっと強いカードが出て、ラガバンやウルザの物語が使われなくなって今の半額以下の値段になってしまったら?ありえない話ではありません。

「昔より明らかに強いカードを出して、どんどんインフレさせて売り抜ける」というのは国産カードゲーム(遊戯王やデュエマなど)が辿ってきた道です。あちらにはエターナルフォーマットしかないため、そういう商法を取らざるを得ないので、しょうがないところもあります。ただそれをカード単価が桁一つ違うMTGでやられるとさすがについていけませんよ、ということです。またモダンがあるおかげでスタンダード落ちカードの値段が保証されてショップにとっても良いということもあります。モダンのカードパワーが高すぎてスタン落ちカードがほとんど使われないなら長期的に見て在庫全体の価値は目減りすると思います。MTGは何年もかけて信頼を獲得し、フォーマットを分けて安定した体制を気づいてきたのに、モダホラ2ではそれをかなぐり捨てて目先の売り上げを獲得しにいっているように見えてなりません。

あと、ユーザー側もずいぶんとおとなしくなったというか、「こんな環境おかしい」ということを言わなくなったなあとは思います。例えばエルドラージの冬の時とかホガークの時とかは、「WotCはあくまで商売をしているだけだ。もうWotCを信頼するのはやめよう」という記事が海外のWebサイトに掲載されたりしましたけど、モダホラ2はそれ以上に壊れていましたがそういう動きはなかったですよね。そういう声はプロ・セミプロあたりの人が一般ユーザーの声を代弁して騒いでいたのですが、それがないのは、プロツアーの制度が変わって、セミプロ・グラインダーみたいな層が薄くなったのと関係ある気がします。MPLとかは、WotC批判しにくいのかなとも。

個人的には、しばらくMTG・モダンから離れた方がよいのかなと考え始めています。おそらく短期的には売上が出ているはずなので、WotCが今の方針をすぐ変えるとは思っていません。ただ、長期的にみたら業績が下がっていく可能性もあるし、WotCの中にも僕が述べたような懸念を共有している社員はいると思うので、だんだんと以前の方針に戻って行ってほしいと思います。

それでは。