SFC版FF6 感想

・ストーリー

前半(世界崩壊前)は、頻繁に操作キャラが入れ替わったりパーティーが分かれたりする。個人的には、全てのキャラクターを戦力として操作できるので良いと思う。その後全てのキャラクターが集まって皇帝に挑むのは王道の展開でプレイしていて楽しかった。

後半(世界崩壊後)は自由に仲間を集めていく。しかし、後述するが、制限が無い分、どうしても装備・能力が使いやすいキャラを選びがちになってしまった。加えて、世界が崩壊したとは言っても、場所によってはあまり町の外観が変わってなかったりして、「崩壊」の実感がいまいち得られなかった。その意味で、「クロノ・トリガー」の時間を自由に行き来するという設定が本当によくできていたんだなあと感心した。

・バトルシステム

技のエフェクトの最中でもATBゲージが溜まる仕様は、FF5の止まる仕様の方がより戦略性があったと思う。

キャラクターの強さには明らかに差がある。特に、かなり序盤から「相手の防御・及び自分の隊列を無視」する攻撃ができるキャラクターが登場するのは問題があると思う。結果として、「物理が効かないが魔法はよく効く」敵が出てくるダンジョンにおいても、防御無視効果のせいで特に戦術を工夫しなくても攻略できてしまう。

「魔石」というアイテムを装備して、経験値とは別個の「魔法経験値」を獲得することで、魔法を習得できるというシステムになっている。問題は、あらゆるキャラクターが「すべての」魔石を装備可能ということで、結果として「魔法が使える」という個性が音を立てて崩れた。もちろんこれは不遇なキャラクターの救済になっていないことはないが、使いやすいキャラクターがすべての魔法を使えるようになって、補助が必要なくなってしまった。

他にも、青魔導士キャラクターの加入が遅いうえに青魔法にも普通にMPを使うので、ラーニングさせる手間が効果と全く釣り合ってないことも悲しい。

・グラフィック

これは流石に進化が著しかった。戦闘背景がダンジョンとマッチしていて、かつ非常に細かいところまで書き込まれている。ドット絵を用いたキャラの表情も前作と比べ非常に多彩になっていた。

・エンカウント

「とんずら」が無くなり、かつ逃げ判定が個別になったので、逃げきるまで時間がかかる。特に、1人だけ逃げ遅れたキャラが状態異常を食らって動けなくなるとかなり拘束されてしまう。また、FF5のシーフのかくしつうろ能力が無くなって、どこに道があるのか自分で探さなければいけない仕様上、逃げたい時に逃げにくい仕様はストレスが溜まった。

エンカ抑制のアイテムはあるのだが、そのアイテムがそもそも隠しであり、かつ特定のキャラクターをパーティーに入れていなければ使えないと使いにくい。しかも、アイテムの効果が「ボス以外の全てのエンカを消す」という極端な仕様であり、結果として一部の特殊なダンジョン(魔法以外使えない)の意味が無くなってしまっている。

・総評

ストーリーの深み、世界の構想、グラフィックなどは明らかにFF5より進化したが、バトル・エンカウントが劣化してしまっている。僕はどちらかというとRPGにおいてシステム重視の所がある(育成・戦闘に自分なりの工夫をするのが好き)なので、個人的にはFF5の方が面白かった。