2/24 ドミニオン会

知り合いが開いたドミニオンを遊ぶ会に参加。夜想曲のみをだいたい5〜6回。
夜想曲
マジックのイニストラードの影響を受けたっぽいセット。フレーバー重視で、システムを後付けしているという印象。
ゲームの質としては、結構ゆっくり。持続カードが多くかつフレーバーに溢れた追加要素を重視しているので、あまり早くゲームが終わるとそうした要素を楽しめないといったところか。
新要素雑感
・夜行
購入フェイズの後に夜フェイズというものが設定され、夜フェイズには夜行カードを何枚でも使用できる。夜行はアクションではない。
何枚でも使用できるという性質上、あまりにも強いカードは作れないし、かつ購入フェイズがすでに終わっているということから金を出す効果が使えないので、デザイン空間は広くは無さそう。
・祝福と呪詛
ランダムに選ばれるプラス効果とマイナス効果で、どの効果になるかは使用されるまで分からない。
ゲームにランダム性をもたらす要素。不快なほど強い効果は無く、状況によって強さが変わるのは良いと思う。ただ、呪詛の蝗害(詐欺師みたいなカード)は序盤にアクションがめくれたり、終盤に属州がめくれたりした場合にゲームに及ぼす影響が強すぎるので無くてもよかったかと思う。
・家宝
特定のアクションカードが王国カードにあるときに、銅貨と入れ替えて使うカード。
ギルドのパン屋みたいな効果。発想は面白いのだがアクションの効果と家宝の効果にフレーバー以上の関連性が薄いカードが多いようにも思える。

気になったカード
・レプラコーン 4コス
金貨獲得、その後場に出ているカードがこのカードを含め丁度7枚なら願い獲得、それ以外なら呪詛を受ける。
初手から買える金貨製造機。今までの金貨製造機は全て5コス以上だったので、このカードは革命的。
まず、コンボで7枚揃えない前提で考えた場合のこのカードについて。金貨はだいたい4枚前後買えればいいし、手に入れた金貨で金貨を買うこともできるようになるだろうから、だいたい3回前後このアクションをプレイできれば元は取っているといえる。その3回でどのような呪詛をもらうかでこのカードの強さは変わってくる。このカードは+アクションのないアクションであるので、このカードと他のアクションを組み合わせることは難しく、鍛冶屋など他のステロ向けアクションと比べデッキの回転率という面で段々負けてくるし、終盤はほぼ役立たずになるので最後に追い上げというのも難しい。さらに、できるだけ序盤にたくさん使いたいという効果の性質上底沈みは致命的になる。なので、あらゆる意味で運の要素の影響を強く受けるカード。鍛冶屋やよろずやなどがある場合はそちらに行くのを推奨するが、同卓している人と実力差がある場合や他に有力な戦略がない場合は購入して良いと思う。
コンボ前提で考えると、7枚丁度揃えるというのがどれくらい難しいかわからないので評価が難しい。ただ、デッキを全て掘るのに何枚カードを使うかというのは考えた方が良くて、例えばデッキに3枚鍛冶屋が入っている場合、アクションを繋げるための村3枚と合わせて6枚アクションを使う必要があり、1回1回の鍛冶屋で確実に目的のカードを引かないとこのカードをうまく使うことは難しい。そうするとこのカードが生きるのは鍛冶屋村系のコンボではなく共謀者系のキャントリップにおまけがついたカードを連打するコンボ。願いに+アクションがついていることや、4コスというその手のデッキにはほぼ入る工房等で入手しやすいコストであることも含め、そういう目的で作られたカードか。このカードの効果はきちんと使えればかなり強烈なので、このカードのためにそういうデッキを作るだけの価値はある。
なお、持続カードとは言うまでもなく相性抜群。

・納骨堂
夜行 このターン使った財宝カードを好きな枚数このカードの下に置く。ターンのはじめに1枚手札に加える。
挙動は異なるが、イメージとしては帝国の資料庫が近い。使ってみた感触としてはかなり強力だった。安定して捻出できる金料が増えることがまず強い。加えて、強い財宝カードは早めに取り出すことで、本来再使用するためにデッキをもう一周しなければならないところをすぐに使える。銅貨などの弱い財宝カードはできるだけ残しておき、リシャッフル時にデッキに入らないようにすることで、実質的なデッキ圧縮になる。
できるだけたくさん納骨したいが、納骨しすぎてデッキ全体の金量が無くなって属州が買えない、みたいなことにならないデッキ、具体的にはステロで使うのが一番噛み合っている。ステロの終盤の7金事故を防げる点も味がいい。
効果を読んだだけではそこまででもないのだが、実際に使うといろいろな副次効果を伴って極めて強力となっているカード。
・夜警 3コス
夜行 デッキの上から5枚見て、好きな枚数を捨て札にする。
このカードを獲得した時、捨て札にではなく手札に加える。
地図職人の効果だが、使い方は航海士に近い。特に2ターン目に購入した場合が強力で、夜行はクリーンアップ前に行われるため、手札と場のカードはそのまま。なので、1ターン目に購入したカードを含め6枚で山をつくり、5枚見れるので、1ターン目に4金の手札で銀貨を買った場合には新しいデッキの6枚目に屋敷が来なければ次ターンの金貨購入が確定するし、1ターン目にアクションを買った場合には買ったアクションを必ず3ターン目に使える。さらに3ターン目の後にリシャッフルが入るため、3ターン目に購入したカードを最速で4ターン目から使用することができる。
弱点はやはりこのカードそのものは次のターンの手札の質を高めるだけで、実質的な得を生み出さないこと。しかし、デッキの回転率を高めることは序盤では大きな価値があるし、終盤デッキに勝利点が嵩張るようになってくればこのカードの効果が生きる場面が増えてくるだろう。
この手の効果のお約束で、坑道とはとても相性が良い。このカードは夜行でありアクション枠を圧迫しないことも含め、序盤中盤終盤隙がないデッキを作れるだろう。
人狼 5コス
アクションとして使用 +3ドロー
夜行として使用 呪詛を撒く
昼は鍛冶屋、夜は人狼として活動する。アクションとしてだけ見た場合は鍛冶屋の下位互換、夜行としてだけ見た場合は(厳密には異なるが)吸血鬼の下位互換。なので、このカードが役立つのは両方を上手く使えた時、すなわち、だれもが見た瞬間思ったように「2枚積んでも事故らない鍛冶屋」として使うのが良いだろう。
このカードが真価を発揮するのはステロでも使える圧縮カード、例えば同セットに収録されているヤギや納骨墓、冒険のイベントの焚き火などでデッキの回転率を高めることができた場合。このカードが被らなかった場合=一周で鍛冶屋が2回使える終盤のブン回りであるし、被ってもデッキを圧縮し、呪詛を撒く機会を増やすことで、相手に刺さる呪詛の効果を引く確率を増やすことができる。
デザインがフレーバーをよく表していて、効果も強すぎるほどではない。とても良いカードと言えるのではないだろうか。
・悪人のアジト
夜行 持続 次のターンの初めにカードを2枚引く
このカードを獲得した時、捨て札に加える代わりに手札に加える。
アクションを消費せずに手札を差し引き1枚増やせるカード=研究所。持続である分使う機会が少ないため、獲得時効果がついている、といったところだろう。
研究所と異なり、使ったターンに1枚増やすのではなく、使ったターンには1枚損して、次のターンに2枚増やす。最終的に8金を出すことが目的となるドミニオンにおいては、できるだけ手札の枚数は偏った方が良いので、その意味では研究所より強化されている。
ただ手札を増やしたいだけなら鍛冶屋や同セットで言えば狼男などの方が持続でない分使う機会が多くなる分良いので、研究所と同じくアクション権を消費しないことが生かせるコンボデッキの安定剤として使うのが良いか。