英語多読 読書感想 Shashank Redemption(Rita Hayworth and Shawshank Redemption)

この前、いつも使っている駅近くの丸善の古本市でスティーブン・キングの「Different Seasons」が500円で売っていたので、買ってきました。この本は4つの短編が1冊の本にまとめられたものです。邦題「ショーシャンクの空に」、および「スタンド・バイ・ミー」といった日本でもアメリカでも有名な映画の原作が収められています。(映画化したものをまとめた、というよりは、この本から映画になった、と言う方が正しいのですが。)今回はその中でも最初の作品である「Shashank Redemption」について感想&考察を書いていきたいと思います。
まず、あらすじを簡単に説明しましょう。1960年代からこの物語は始まります。物語の主人公は殺人罪でショーシャンク刑務所に入った、通称、レッドです。レッドは刑務所内でいわゆる調達屋を務めています。
刑務所に、アンディーという名の新しい囚人が来たことから、この物語は始まります。アンディーは元銀行員で、浮気した妻と浮気相手を殺害したことの罪で刑務所に入れられました。
レッドとアンディーは、アンディーがレッドにリタ・ヘイワースという女優のポスターの調達を頼んだことから、友情が始まります。
展開や結末についてはもうご存知の方も多いだろうし、知らない方が楽しめると思うので、とりあえずここまでにしておきます。なので、ここではいくつか気になった点について考察してみたいと思います。
実はアンディーは無実の罪で刑務所に入れられるのですが、なぜアンディーが有罪にさせられてしまったのかは、少し不思議な気がします。というのは、アンディーは大変準備が良い男で、例えば、刑務所外の友人に将来有望な株に投資してもらい、保釈されてもお金に困らないようにしているのです。それだけの友人を持っているのなら、最高の弁護士をつけようと思えばつけられたし、なんとかできたのではと思います。
作中では、アンディーがあまり感情を伴わず裁判所で弁論してしまったから、みたいに書かれています。ただ、この理由は少し取って付けたという感じがします。僕は、キングは世の中には不条理なこともある、どんなに立派な人間でも刑務所に入ることはある、ということを言いたかったのかなと思います。
この小説はレッドの独白という形になっているのですが、これも面白い点ですね。キングは主人公に自分を投影することが多い作家です。実際、キングの小説の主人公は作家が多いです。レッドは何というか、内省的で、すごくものについて考えるひとなんですね。
キングは神の視点で物語を書くことはあまりしませんが、さまざまに視点を変更して(過去と未来だったり、複数人物だったり)書くことが多い。この物語では、完全にレッドが過去について語るという形式で物語が進むので、そこがやや珍しい気がします。
映画だけ見て満足している人も多いかもしれないですが、小説で読んでも充分面白い作品でした。
それでは。