クロックパーミッションについて。

MTG(マジックザギャザリング)は世界初のトレーディングカードゲームで、歴史も古く、アメリカなどではプロツアーといってプロプレイヤーと呼ばれる人たちが賞金などを争って非常に大規模な大会を催したりしています。
その中で、マジックにはいわゆる「カードゲーム理論」が発展してきました。これは非常に簡潔でわかりやすく、かつ為になる内容で、遊戯王に当てはめることも可能です。
その中で今日とりあげるのは「クロック・パーミッション」というデッキタイプについてです。
一見してなんのこっちゃ?と思うかもしれませんが、これはこのデッキのもつ二つの特性をつなげたものです。
まずパーミッション、これは遊戯王プレイヤーにもなじみがふかいと思いますが、直訳すると「許可」の意味です。これはこのデッキを相手にした場合に、一々「〜発動できますか?」「〜召還いいですか?」と許可を求めなければならないことから生まれたもので、相手の行動を無効にするカードが多く入っているデッキがこう言われます。
次はクロック、これは遊戯王プレイヤーには「タイムアドバンテージ」と言ったほうがよいかもしれません。クロックというのは「あるモンスターが安定してダメージをあたえ続けられる状況」であると考えてください。たとえば相手の場に「bf-蒼炎のシュラ」がいて、こちらの手札にこれを倒せるモンスターがなく、除去できるカードがない場合、もしくはあってもできれば使いたくない場合、相手は1800のクロックを持ったことになります。1800なら、4ターン攻撃を受けるところまでなら死にませんが、たとえば相手が「bf-黒槍のブラスト」を特殊召還してあわせて殴ってきた場合、2ターン攻撃を受けた場合、ここでなんらかのアクションを起こさなければなりません。大きなクロックを持つというのは相手に十分な準備する時間を与えないまま相手になんらかのアクションを要求するということです。
クロックパーミッションというのは、ここで相手が起こしたアクションを無効にすることで、相手にデッキの力を出させないまま勝つこと、これを目標にしたデッキです。
このデッキの難しい所は、いかにクロックを準備するかです。相手にプレッシャーを与え続けられる打点をいかにすばやく用意するか、それがこのデッキの課題です。

ところで、遊戯王のこういう型のデッキは過去2度トーナメントシーンに現れてます。剣闘獣と六武衆がそれにあたります。
剣闘獣は一体一体がリクルート効果を持ち、戦闘をさせてしまうとアドバンテージをとられるため、素早い対処が必要になります。しかし、このデッキは肝心のパーミッションの場面において頼りきっていた「神の宣告」が規制されてしまったため、あまり目立った活躍は少なくなってしまいました。
六武衆は、クロックであるシエン自体がパーミッション効果を持ち、さらに六武の門による大量展開によって相手に最高で後攻の1ターンしか与えないという特性から、クロックパーミッションとして文句なしの性能を誇っていました。
ただし、六武の門規制により、大量展開によって相手に時間を与えないという特性は失われてしまいました。さて、クロックパーミである六武はこれからどうすればよいのか。
重要なのは、パーミッション部分は、「モンスターに対するカウンター」は神の警告、月の書規制により緩みましたが、魔法トラップにたいするカウンターであるシエンは生きているということです。これにより魔法トラップに除去を頼りきっているデッキには非常に有利に戦えます。モンスター効果を主体にしたデッキに対しては、僕は六武は積極的に殴っていき少しでもクロックを増やし相手のライフポイントを減らすことをこころがけたプレイングをするべきだと考えています。たとえば諸刃の活人剣術などを早めにうつなどです。逆に六武を相手にした場合、「スケープゴート」やネクロバレーを張った状態での偵察者でたえられると、相手にしてみれば、非常に厄介で、戦略上の負けに等しいです。サイド戦以降は、相手は「サイファスカウター」を警戒してくるので、とりあえずモンスターセットエンドしておくと、場合によっては大きな時間を稼げ、時間を稼がれれば稼がれるほどクロックを用意できない六武は苦しくなります。
以上、ながながとすいません。
それでは〜