EDHの面白さ

最近、なぜEDHが面白いか考える機会があったので、書いておきたいと思います。
マジックには好きなようにカードを使える構築フォーマットとパックから出たカードしかプレイできないリミテッドフォーマットがあります。EDHは定義上は構築フォーマットですが、面白いと感じる点の質はどちらかと言えばリミテッドに近いのではないかというのが今回得た気づきでした。
構築フォーマットは、実は、自分で工夫できることの幅がリミテッドより狭いのではないかと思っています。「強いカード」というのは決まっているので、実際のカードプールは実は狭いし、デッキリストも情報量が多い分洗練されるのが早いので、「50枚前後入れるカードは既に決まっていて、自分で考えられるところは細かい枚数の調整と2〜3枚のオシャレ枠」ということがよくあります。
リミテッドは、確かに使えるカードの絶対的な枚数は少ないのですが、カードが全体的に弱い分、完全にアンプレイアブルなカードは少ないです。また、ピックしている中でデッキに必要なカードを判断していくのは、デッキ構築をする面白さが味わえます。
ではEDHについて考えてみましょう。EDHにも、確かに「強いカード」は存在します。ただ、ハイランダー構築の上、デッキ自体の枚数も多いので、1枚目2枚目は決まっても、3枚目4枚目でいろいろなカードに選択肢が生まれるため、使われるカードプールは広いです。例えば、1マナのマナクリーチャーについて考えてみましょう。モダン以下ではとりあえず貴族の教主と極楽鳥、エルフであることが重要ならラノワールのエルフとエルフの神秘家、くらいの選択肢しかありませんが、EDHだと今あげた全部で4枚で、デッキ枚数が多い分60枚デッキより安定して特定の役割のカードを引くのにより多い枚数を必要とする分、あと数枚積まなければならず、たくさんのカードに選択肢が広がります。これは、常にベストなカードをピックできない都合上、まあまあなカードであってもデッキのコンセプトにあった強い使い方を考えるというリミテッドの性質と似ていると思います。
また、実際のゲーム展開の幅という点でも、リミテッドとEDHは似ていると思います。構築のデッキはデッキを安定させるためのカードや強くてかつ役割が似たカードが複数組積んであるので、毎回毎回似たような展開になりがちです。ただし、安定性が高いというのはこういうことなので、これは美質であって欠点ではないことは明記しておきます。それに対してリミテッドでは、相手も自分もデッキに1枚差しのカードが多い上、レアリティによってデッキ内のカードの強さにムラがあるので、毎回似た展開になることは比較的少ないです。毎回毎回相手にレア引かれて負けたとか、毎回初手にレアが吸い付いてきてデッキは弱いのに勝ってしまったとかは誰でも経験あると思います。
EDHでは、カードはそもそも一枚差ししかできない上、リミテッドと同じくデッキの中のカードの強さに差があります。例えば太陽の指輪とかですね。加えて対戦相手が3人いるので、毎回違ったゲーム展開になることが多いです。
僕は普通の構築戦だと、最初にいろいろなデッキに当たって驚いていられるうちは楽しいのですが、だんだんマッチアップなどが分かってくると、ある種プレイのパターン化が進んでしまって面白くなくなることが多いです。デッキを乗り換えるにも資産がないので出来ず、といった感じですね。その点EDHは一つのデッキで長く楽しめます。
それでは。