来週アドが取れるカードは弱い?[EDH]

たまたまtwitterで「EDHにおいて、来週アドを取れるカードは弱い」という投稿を見つけたので、これについて考えてみたいと思います。
EDHは、通常の構築戦と比べ、対戦相手が3人いるという大きな違いがあります。すなわち、次の自分のターンを迎えるまでの対戦相手のターンが通常と比べて多いです。そのため、見えている脅威は対処されやすい、そして、アドバンテージを得るためにタイムラグがあるカードはアドバンテージを得る前に対処されてしまって弱いという事だと思います。
しかしながら、すべての場合においてこの言明は成り立つのかというのが今回考えたいことです。反証としては、いわゆる強ジェネラルと言われているカードの多くが必ずしも着地したターンにアドを取るタイプのカードではないことです。そのようなジェネラルの具体的な例としては、結界師ズアー、永遠王、ブレイゴなど戦闘を媒介として効果を発動するものがあります。
では、どのような場合に「アドバンテージを得るためにタイムラグがあるカードは弱い」という言明が成り立つのか。
まず一つ目は、得られるアドバンテージがイメージしやすい場合だと思います。例えば召喚酔いしている隠遁ドルイドは、召喚酔いがとけたら勝利するということがはっきりとイメージできてしまいます。なので、対処されやすい分弱い。しかし、よく知られていないジェネラルについては、実質次のターンが回ったら勝つ状態であっても、イメージできない分対処されにくい、ということがあるのではないかということです。
二つ目は、対処すべき脅威の総量が少ない場合です。例えば、デッキ間で明らかに強さに差があり、1人のCompetitiveなデッキと3人のややCasualよりのデッキが同卓している場合を考えて下さい。Casualなデッキからは、すぐ対処しなければならない脅威が展開される可能性は低い。なので、Competitiveなデッキからアドバンテージを得るためにタイムラグがあるカードが展開された場合、他の3人にとって対処することにリスクが低い。それに対して、4人全員がCompetitiveなデッキの場合、3~4ターン目には全員がコンボを決めに来る可能性があり、対処すべき脅威の総量が多い。そのような場合、アドバンテージを得るためにタイムラグがあるカードを対処するのはリスクが高い。なぜなら、脅威に対処するために妨害を使ってしまった結果、他の誰かがコンボを始動させたときにその妨害を使わなければ良かったということになる可能性が高いからです。
二つ目の論点は、デッキの妨害カードの選択という観点からも考えることができます。これはデータがあるわけではありませんが、Casualなデッキほどソーサリ―タイミングの妨害が多い印象があります。ソーサリ―タイミングの妨害はそのプレイヤーのターンで見えている範囲での脅威にしか対処できない(潜在的なコンボに対して対処できない)ので、アドバンテージを得るためにタイムラグがあるカードが対処されやすいということが言えると思います。
以上から考えると、基本的に知られていないカードであればあるほど、あるいは同卓しているプレイヤーのデッキ・プレイ練度が平準化され、ガチ対戦になればなるほど「来週アドを取れるカード」が使いやすくなると考えられます。逆に、自分が知名度の高いジェネラルを使っていて、かつ自分と同卓している人のデッキがあきらかにパワーレベルに差がある場合、「来週アドを取れるカード」は弱いです。ただ後者の場合インスタントの妨害が少なくなるので、ジェネラルを出さず芋ってひたすらコンボパーツをかき集めていれば勝てると思います。
それでは。